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覚えておきたい「借地権」の基本

借地権とは?

「借地権」をとても簡単に説明すると、借主がその土地の地主さんに地代を支払うことで、その土地を利用できる権利のことを言います。

「借地権」とは言わば、ある時点で地主さんと借主さんの間で取り交わされた契約なのですが、土地や建物が関連するため、その「借地権」はとても長い時を流れている場合も少なくはありません。

つまり、親から子どもへ、そして孫へ受け継がれていることもあるのです。
そのような場合、さまざまなライフスタイルや価値観の違いがだんだんと表面化しトラブルになることもあるため注意が必要です。

こうした「借地権」の土地に事業用の建物を建てた場合に起こりうるトラブルについて勉強していこうと思います。

参照:借地権を買取してもらう方法や 必要な承諾、手続きなどの流れ

借地借家法とは

そもそも借地権とは地主にとって不利、借主にとって有利な権利と言われておりました。

なぜなら一度地主が借地権を認めると、その土地は借主が返すというまで取り戻すことができず、土地を自由に利用することが認められていたからです。

確かに地主さんには土地の賃貸料が入りますが、その額は非常に少ないのが相場で地主さんにとってあまりメリットが無い権利だったのです。

こうしたことから借地権を承認する地主さんが少なくなってしまったため法律が改正され、借地権は地上権や土地賃借権に分けられるようになりました。

そしてさらに、2008年に借地借家法が改定されてからは、普通借地権・定期借地権に分けられました。

また、定期借地権はさらに細分化でき、その中に「事業用借地権」があります。

「建物の所有目的」の条件とは

借地権を取得するためには「建物の所有目的」がなければ、借地権は認められません。

その際、個人用住居であれば明確な「建物の所有目的」になりますが、事業用建物の所有目的とはどういうケースに当たるのか見ていきましょう。

事業用建物の借地権

借地権が認められるかどうかは、オフィスを借りる際に賃貸借契約が結べるかどうかに似ています。

賃貸オフィスでは、建物所有目的が認められるため、賃貸借契約を結ぶことができます。
このとき、借主との契約更新の拒絶・解除をする場合には、貸主に正当な理由がなくてはなりません。

一方、一時的に借りるレンタルオフィスでは、貸し出すスペースの構造にもよりますが、基本的に「施設・サービス利用契約」を締結します。

関連記事:「オフィス賃貸のフリーレントとは

いわば間借りをするという形になり借地借家法が適用されないため、地主さんが契約更新をしないと決めたら速やかに引き渡さなければなりません。

これは、借地権でも同じようなことが言えます。

プレハブ事務所を建てるのに「建物の所有目的」は認められるか?

借地権が認められるためには「建物の所有を目的とした借地」に地代を支払う必要があると述べました。

では、プレハブ事務所を建てるのに「建物の所有目的」は認められるか?ということについて検証していきましょう。

結論からいうと、プレハブの建物を事務所として使っていたとしても、借地権が認められないケースがあります

例えば、最初の契約のときに20年という使用期限を設けて、借地に事務所を建てたケースを見てみましょう。

借地借家法が適用されて借地権が認められると、原則として30年間の存続期間があります。
もし20年と契約で定めていても、借地権が認められるのであれば、定めは無効となるので、建物を引き払ってもらうことはできません。

ただし、そこが住宅・車の展示場、資材置き場、駐車場、ゴルフ場などの場合には、たとえ事務所が設置されていても、目的とした使用とは認められないケースがあります。

そうした場合には借地権が認められず、使用期間を過ぎたら契約は終了し、地主さんは事務所を撤去させることができます。

「建物があれば等しく借地権が認められる」と勘違いしてはいけません。

あくまでも利用目的に適した利用をしていないと、例え借地にプレハブで事務所を建てても借地権が無効になる可能性があるので注意してください。